2008年2月16日土曜日

近畿 日本 ツーリスト

臨3311に乗れ

今でこそ近畿日本ツーリストといえば学生の就職希望ランキング上位の常連ですが、設立当初はこんなに泥臭くまた、全く信用がない会社であったことに驚きます。特に近鉄と合併する前の「日本ツーリスト」時代の描写は生々しく、読んでいるうちにこちらの肉体が疲労してきそうなほどリアリティに富んでいます。数人の野武士のような男達、その男達の血と汗によって「旅行業」とか「旅行産業」というひとつの業界が生まれたのだなと思うと、非常に感動します。

資本も信用もないところからはじめた日本ツーリスト、アイデアとスピードにより既成概念、古い慣習、規制と戦い、会社を急成長させていく男たちを描いた内容は大きな感動を覚えます。終盤、大資本を背景にした近畿交通社との合併を迎えるのですが、日本ツーリストで草創期をともに戦ってきた人たちがひとり、またひとりと第一線から去っていく描写は少し寂しい。ちなみに、近畿日本ツーリストのホームページを見ても日本ツーリストに関する記載はない。

近畿日本ツーリストのことが描かれているのだが、城山三郎らしく、人を中心に話が進んでいくので、共感できるところが多く存在する。本屋にはなかなか置いてなくて、手に入れるまで長い期間を要した。そのせいもあってか、思い出深い一冊。

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