2008年2月18日月曜日

横浜 銀行

日本金融史―安政の開国から高度成長前夜まで

本書は日本金融史と銘打ってはいるものの実態は近代日本銀行史である。私は今般、生糸金融史を調べるにあたり本書に目を通したわけだが正貨取引の中心となるべく設立された「横浜正金銀行」(東京銀行の前身)が本来の目的を離れ生糸・茶等の輸出奨励のための政府資金を用いた輸出前貸銀行に変貌していく過程は極めて興味深い。僅か10年前の著書でありながら、巻末の「主要銀行略歴」に載っている銀行が日本銀行を除いて、現在その全てが合併等により名称が変更されている事実を前にするとこの10年の金融再編のすさまじさを実感させられる。

金融史という切り口から、日本の近現代の歴史を追っていった良書。記述もわかりやすく、事実背景が掴みやすい。「松方財政」「金本位制度」「昭和恐慌」といった基本的な知識も押さえており、それらが有機的に結びついた記述となっている。銀行を中心とした金融・財政システムの歴史について一通りの知識を身につけるには、まずは読んでおきたい一冊。

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