2008年2月21日木曜日

富士 ゼロックス

戦略的ソリューション営業―顧客との「価値あるパートナーシップ」を構築せよ

多くの実践的な事例が出ていて分かり易かった。富士ゼロックス社のコピー機の販売を通じて実際に行った多くの「ソリューション営業」の実績が生かされているのだろうと感じた。

 1章の「営業現場の実態」、2章の「ソリューション営業の概要」、7章の「富士ゼロクスの営業パーソン教育プログラム」は参考になりましたが、その他の章については初歩的な営業の解説になっており、少々期待はずれでした。 全般的に富士ゼロックスのソリューション営業の取り組み方が解説されており、ソリューション営業の技術を解説した本ではないようです。 業績を上げてきた富士ゼロックスの営業を知りたい方には参考になるのかもしれませんが、ソリューション営業の基本を習得するのが目的であれば「ソリューション営業の基本戦略」(高橋勝浩氏)をお薦めします。

執筆者である㈱富士ゼロックス総合教育研究所は、富士ゼロックスのコンサルティング部門を前身とするコンサルティング・ファームである。プラウドフット・ジャパンとともに実行支援、インプリメンテーションの領域では強いファームの一つであり、特に法人営業支援の分野ではトップレベルの実績を有する。斯くたるファームが、わが国におけるマーケティング研究の一人者である恩蔵氏の監修を経て、執筆されたものが本書である。本書で提言する内容の特徴として、プロフィタブル・パートナーシップ(顧客と利益を共有する関係)が挙げられる。単なる物売りではなく、顧客の経営課題にソリューションを提供することによって「顧客の戦略パートナー」になることにより、顧客障害価値LTVの向上を企図するものである。価格競争が盛んな折柄、ひとつのブレイクスルーの視座を提供する。第2点として、流石にゼロックスを前身とするだけあって、TQM(総合的経営品質管理)をバックボーンとしたオペレーション・マネジメント、プロセス・エンジニアリングの思想が息づいている。特に、ソリューション営業を展開するに際してのプロセス・行動管理を重点的かつ仔細に論じ、営業プロセスをリエンジニアリングする実際的な示唆が豊かである。第3に、示唆を提供する営業フェーズが事細かである。流石に、「営業力強化支援トップ」を自認し、TQM思想に裏付けられているだけに、こうした点は相当きっちりしたものがある。三枝匡氏の著作「V字回復の経営」、「戦略プロフェッショナル」でも指摘されているとおり、現場での実行策が綿密でないと事業変革は難渋する。こうした観点からも、本書の指摘は正鵠を射たものといえそうだ。営業は、「セリング以上マーケティング未満」と言われる。マーケティングのように多様なバリュー・ドライバーは扱えないにせよ、営業の革新は、会社に活力を与えもすれば・モティベーションを失うきっかけともなる。こうしたデリケートは事業課題に対して、本書はTQMにもとづく力強い示唆を提供する一冊である。

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